大好きっ！！

でも、やっぱり頭に浮かぶのはお母さんのこと。

お父さんはたまにあったりしてたからそうでもない。

お母さんとの思い出は一つしかない。


あたしが3歳ぐらいのころ…

あたしはスーパーで迷子になった。

その頃お母さんはまだ駆け出しの女優だったから一緒にいる時間はたくさんあった。


＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

『わぁー！ちょこれーとだぁ！！』

『こぉら！走り回らないの！！』

あたしはお菓子に夢中でお母さんの声なんて聞こえなかった。

『あっ、これおいしそう！！ままぁ～！』

周りを見てもお母さんはいなかった。

『まま…？』

〝ままぁっ！！！〟と泣きながら叫んで走りまわったのを覚えている。

お母さんがとなりにいるって思ってたから、周りを見て誰もいなかったときはすごくこわかった。

走っても走っても知らない人しかいない。

不安で、不安で…


もう、ダメだぁ…

あたしはママに捨てられたんだぁ…っ

って思った瞬間温かい声は聞こえた。


『さのーんっ！』

『ままぁっ…！！！』

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊