大好きっ!!
ドアを開けると…

元・女優であたしのお母さん…

木田小夜子と、

時々お金をくれたお父さん…

木田将太がいた。

しばらく無言で見つめあっていたが、

「桜音…?」

絞り出すような声でお母さんが言った。

「そうだよ、桜音だよ」

「もう、こんなに大人になったのね…私が最後に見たのはいつだったかしら」

「とりあえず、上がって。」

「そうね、じゃぁお邪魔しましょうか」

「もうすぐ、お母さんの家でしょ…?」

「そうね、そうだったわね。ホントになにからなにまで迷惑ばかりかけてごめんなさい…」

「もういいって!」

「桜音…」

「お父さん?」

お父さんはあたしをまじまじと見つめた。

「立派な女の子、だな。ホントに可愛くなって…もてるだろ?」

「うん、まーね♪」

「おかあ…さんと、おとうさん…?」

「そうだよ、裕真」

心配そうに尋ねる裕真にあたしは答えた。

「裕真…大きくなって…」

「こっちは立派な男の子だなぁ…裕真ももてるだろ?」

「お父さんそればっかり~!」

「「「あはははっ」」」

お父さんのおかげで何とか打ち解けることができた。

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