愛恋


「ってか、名前聞いてなかったよね?」




「桂子です。折原」




「Keiko orihara?」



わざとらしく英語っぽく下の名前からあたしの名前を読み上げる。



「折原桂子です。」



苦笑しながら言い直す。



「ごめんごめん、っつか敬語やめない?年近いっしょ?」




右手を首に当てながら、彼は話をつなげた。




「中2です。」




この時何で嘘をついたかよく分からない。




年が近いと決め付けられた手前
「小6なんですよ」
なんて言えなかった。




言ったら離れられると思っていた。




どうでもいいはずの男の子のはずなのに、少し近づきたいと思っていたのかもしれない。





「俺、中3!!」




笑顔で自分を指差して言った。





「そうですか」




「敬語やめてよ~、同中でもないし先輩って感じしないっしょ?俺」




その男を改めてつま先から頭まで見た。



長身で、ぱっちりすぎない二重の目は魅力だと思った。
髪の毛はあの変な人みたいにセットっていうセットはしてなくて・・・
薄茶色の短髪は多分染めているのだろう。



爽やかな人だった。



はっきりいって、年上感はありまくり。
< 15 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop