愛恋
階段の途中で立ち止まる・・・。
おっけー。
1人賞状を受け取り階段を降りて行く度に、少しずつ前に進んでいく。
「折原桂子!」
校長先生さまさまの大きな声が体育館に響く。
「はい」
精一杯大きな声を出して前に進み出た。
賞状を手渡され、左手、右手の順に受け取る。
回れ右をして、一瞬顔を上げて館内を見渡した。
足早に階段を降りて歩き、椅子を後にして5分の後にはもとの場所に座っていた。
しばらくしたら、隣の子も戻ってきた。
在校生にしたら長い時間かもしれないけど、
主役の私達からしたらあっ、と言う間の時間なのだ。
君達ももうすぐ分かるよと、澄ましてまたちらっと斜め後ろを見やった。