愛恋
「じゃぁ、桂子さん」
生徒の名前を苗字でなく、下の名前でさんや君を付けて呼ぶのも、高橋先生の特徴。
「えと・・・私はこの1年間色々な体験をして、1時期プチ鬱な時もあって学校に来なかった日も少しありました。」
実はこの時にはもう泣きそうだったり。
「でも・・・今日この日を迎えられて、とても嬉しく思います。皆ありがとうございました。」
最後に少しお辞儀をして、足早に席に戻った。
後ろで聞いていた親御さん達が数人涙を拭っていたのが見えた。
みんなこういう発表するのを嫌うけど、実のところあたしはこういうの好きだったりする。
泣くのも趣味ではないけど、勝手に感動するもんだから、感情も敏感で、喜怒哀楽が分かりやすい性質なのだと思う。
大体15分弱でクラス全員35人のミニスピーチは終わった。