年下男子♂
話すと長くなるが、説明すると愛里沙たちが引っ越す日、智也が掛け時計の針を動かしていたそうだ。
私の目覚ましは6時半に鳴ったが、掛け時計は7時半にずらしていたという。
そのわけはお別れパーティーの後、私が知らぬ間に由香、愛里沙、智也、裕也は作戦会議をしていた。
「お願いだ!どうしても明日愛理先輩に告白したいんだ!」
裕也は愛里沙たちにすがるような思いで手を合わせた。
「はいはい!じゃあ智也くん!今夜こっそり掛け時計の時間を7時半にしといて!愛理の目覚ましは何もしなくていいから!」
愛里沙は人差し指を立てて智也に命令した。
「分かりました!でも、なんで?」
「まず6時半の目覚ましで愛理が起きるでしょ?で、智也くんが掛け時計を指差して愛理に「もう7時半」って言う。それで愛理が急いで準備して私の家に来る。愛理はもう私たちは出発する時間だと思ってるけど、実際の時間は7時前後。で、出発の8時までに裕也が愛理を呼び出して告白!ってわけよ!」
愛里沙は腕を組んで笑顔を作った。
「なるほど!」
智也は納得したように頷いた。