年下男子♂
「私ちゃんと目覚ましで起きたはずだよ?!」
「目覚ましが壊れてんじゃね?!それより早く準備しねえと!」
智也は私を洗面所から引っ張りだして顔を洗い始めた。
「もーう!やばいやばい!急がなきゃ!!」
私はまだ少し疑問に思ったけどとにかく急いだ方がいいと思い、準備に取り掛かった。
それから数分して智也も私も準備が終わった。
「姉ちゃんさ、なんか今日超オシャレしてるくね?!」
智也が私の服を見て言った。
「そうかな〜」
当たり前だよ
最後なんだから
愛里沙とも裕也くんとも
今日が最後だもん。
とびっきりオシャレするくらい普通。
裕也くんに最後に「可愛いね」って言ってもらえたら嬉しいな〜とか思うに決まってんじゃん
「早く行かなきゃ!」
私は智也の手を引っ張り玄関に走った。
「痛い痛いって!姉ちゃん!!」
智也は私の手を振り払い靴を履いた。
「だって智也が遅いんだもん!ほら早く!走るよ?!」
私は玄関に出てすぐ走り始めた。
「待てって!」
智也が後ろから走って追い掛けてきた。
私はスピードを落とさず走り続けた。
そして、やっとのことで愛里沙の家に到着した。