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もう、今日という1日は終わったと、ほぼ諦めかけたその時、
救いの手がさしのべられた。
「ちょっとトモ!!!どーゆーコトよ!!!」
新たな女出現!!
瞬時に身体をビクンと震わす嶋朋弥。
「おぅ、里奈」
「おぅじゃないわよ!!そのブスは何なのか聞いてるでしょ!!」
かすかに緩まった彼の手を振り払い、
私は高校の体育以来の全力疾走でその場を駆け抜けて行った。
うん、我ながらまれにみない好タイムだったと思う。
途中、
「ちょっコラ!待てよクリボウ!!俺を置いてくんじゃねぇ」
なんて声が聞こえた気もしたが
もちろん、無視したのは
言うまでもないだろう。