203
鞄をゴソゴソ探り、家の鍵を探す…。
彼といたあの時間は一瞬のように感じられたが、
実は長い時間を過ごしていたようで、
すっかり朝日がのぼりきっていた。
「ん、あった…」
お気に入りの桜全線04のキャラクターのついた鍵をとりだす。
ガチャリ
とその時、201号室の扉が開いた。
「あら、おはよう。今までバイトだったの?オツカレさまね。」
ゴミ袋をたくましく両手につかんだ、寝間着姿の碧さんが姿をあらわす。
そんな姿も素敵です…。
「……おはよぅ…ございます碧さん」
「やだ?なに光ちゃん!!ホッペタ桜色に染めてニヤニヤしちゃって…」
(えっ…ニヤニヤって…)
あわててほっぺに手をやると、一気に恥ずかしさがわいて顔が赤くなるのがわかる。
「やっだぁー、光ちゃん恋??やっと好きな人できたのねぇ」
「こっここここ恋っ?!!!」
バァァァァン!!!
とたんに乱暴に扉の開く音がする。
「んなにぃ?!!クリぼうが恋だと??俺にも詳しく聞かせろ!!」
私の疫病神、嶋朋美登場。
っていうかホントに壁薄すぎです。
なんとかして下さい。
切実に…。