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まるで絵本からお姫様がとびだしてきたかのような、
ビー玉のような大きい瞳に長いまつ毛、
フワフワのロングヘアーをなびかせ、
小柄な体をプルプルふるわせているそんな彼女。
「あ…あら花凛おは」
「朝からうっせーんだよ!!!ヨソでやりな!!!」
バァァァアン!!!
容姿に似合わないドスのきいた声を発し、
可愛らしい御近所さんは一瞬で部屋の奥に消えていった。
「んえ…?」
あまりのギャップに頭がついていかず、ぽかんとしていると
さっきまでギャーギャー言い合っていた二人が同時に
「こえぇ…」
「こわ…」
呟いた。
意外と気が合ってるのかもしれない。