ドラゴン・テイル
ウルは、魔専校舎に走った。
…ラーマ様なら確か……、魔術師専門校にいるって聞いたけどねぇ……。
その言葉を聞くや否や、ウルはアネットにお礼を言って。
まだいるかは分からないよ!
走り去るウルの背にアネットが叫ぶ声。
だが、ウルは足を止めずに走った。
「…っはぁ! はぁっ…!」
校舎にたどり着いたウルは、肩で荒く息をしながら門を見上げた。
ここに来て、ある疑問が浮かぶ。
─…この校舎のどこにいるんだ……?
ドラゴンの姿ならまだしも、今のラーマは人間の姿だと言うことを思い出す。
まだ滞在しているかも分からない。
─…頼むから、まだ居てくれ……。
そう祈ると共に、門を押し開けた。
校舎に足を踏み入れる。昨日来たとき同様、人の気配は無い。
とりあえず、先に本校舎に入った。一階から三階まで、足早に見て回る。
─……いない……。
残った別校舎。一階まで降りて歩く時間がもどかしく感じ、三階の窓から身を投げた。
「フラインッ!」
ウルの体が重力から解放され、宙に浮かぶ。
そのまま別校舎入り口に降り立った。
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