ドラゴン・テイル

「そうか………よかった……。さすがは、竜の加護を受ける町じゃ……」

 老人は、安堵のため息を落とした。

「儂等はザイルへ行く。儂の名はロンド。お主は……?」

「ウルです。俺は、当初の目的通りルーヴァへ向かいます」

 そうか……。
 老人─ロンドはそう呟くと、ヨロヨロと立ち上がった。

 コルティがロンドを支えるように一緒に立ち上がる。

「ウルや、ルーヴァにもし生き残りが居たら、その時は儂に手を貸してくれたように助けてやってくれんか……?」
 本当なら、儂が行けば良いのじゃが…。

 ロンドは、申し訳なさそうにウルの目を見て言った。

「もちろんです」

 その目を真っ直ぐ見返して、迷うことなく答えた。

 ロンドの顔に笑顔が浮かぶ。

「儂も、ザイルで人に頼んでこよう。元々そのつもりで出てきたのじゃからな」

 歩き出したロンドにウルは手を伸ばす。

 街道まで戻ると、ロンドはウルにお礼をのべ、背を向けて歩き出した。

 コルティは何度もウルを振り返り、手を振っている。

 ウルも、二人の姿が見えなくなるまで見送った。

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