ドラゴン・テイル

「こりゃぁぁっ! おぬしら、コパンに何をしておるーっ!!」

 その怒鳴り声が聞こえたのは、ウルがピクシーに張った結界を解こうとした瞬間だった。

 思わず目を向けると、そこには三匹のピクシーが立っていた。

「……また出た…」

 うんざりしたように呟くウルと、驚いてその三匹を凝視するクレイグ。

「キィッ! キィキィッ!」

 結界に閉じこめられたピクシーが、しきりにその三匹に助けを求めるように叫ぶ。

「…コパン……? っつか、ピクシーも喋れるのか……」

 クレイグの呟きに、三匹の内真ん中に立つピクシーが「ナメるでないわ」と言うように、フンッと睨みながら息を吐いた。

「おぬしら、コパンをどうするつもりじゃ! 今すぐ離さねば許さんぞ!」

 コパンとは、どうやらこの結界の中にいるピクシーの事のようだ。

 それにしても、初めからクレイグ達が悪いと言うような口振りに、クレイグはまた怒りが込み上げてきた。

「おいおい、ずいぶんじゃねぇ? その言い方。そもそもこいつがいきなり俺に水引っ掛けてきたんだぞ」

 見ろよこれ。と言うように、クレイグはずぶ濡れになった体を見せるように両腕を広げた。

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