ドラゴン・テイル
驚いたように、黒目をまん丸にしてクレイグの姿を見る真ん中のピクシー。
その表情のまま、結界の中の小さなピクシー、コパンに視線を向ける。
コパンは、バツが悪そうに首を竦め小さくなっている。
その姿を見た真ん中のピクシーは、見る見る内に憤怒の形相になっていく。
「…お前はまた………っこんの馬鹿者がぁぁぁっ!」
怒りのあまり、フルフルと震えながら怒鳴った。
そんな真ん中のピクシーを見ながら、左に立つピクシーが一歩前に出た。
クレイグとウルを交互に見つめ、深々と頭を下げる。
「すみませんでした! そんな事とは露知らず、とんだご無礼を……」
すると、その行動を見ていた右側の一回り小さいピクシーも真似をした。
「ごぶれーお!」
ウルとクレイグは、お互い顔を見合わせる。……どう対処するべきか。
「またか…って事は、前にもやったのか、悪戯……」
ピクシー達に視線を戻し、クレイグが呆れ顔で言った。
「……お恥ずかしながら…数知れず……」
しきりに恐縮したように、身を小さくして左のピクシーが言った。
右のピクシーがまた真似をして「かずしれず」と言いながら肩を縮める。
真ん中のピクシーは、まだコパンを睨みながら小刻みに震えていた。
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