ドラゴン・テイル
ウルとクレイグは、ピクシー達に招かれるまま、街道を少しそれた場所にある地下洞窟に来ていた。
そこには緑だけでなく、黄や赤、白、青等、様々な色に染まったピクシー達が大勢いた。
「……一度にこんな沢山ピクシー見たの、俺初めて」
ポソっとクレイグの呟く声が聞こえる。
それはウルも同じ事で、物珍しげに辺りを見渡す。
「ウル様、クレイグ様、こちらへ」
ウル達を誘導するのは、あの左側にいたピクシー。名をルッソと名乗った。
ちなみに、ルッソの真似をしていた小さいピクシーはトト、激怒したピクシーはバーズと言う名らしい。
ルッソに通された場所は、ちょっとした広い空間を光のインテリアで飾った客間のような場所だった。
壁に埋め込まれるように作られた燭台から、黄色やオレンジ色の光がゆらゆらと揺れて、部屋を幻想的に照らし出している。
「すげぇ……」
しきりに感嘆の声を上げるクレイグ。
「すぐにリーダーが来ますので」
そう言い残し、ルッソは部屋を出た。
それを見届けると、燭台の方に歩いていくウル。
壁に開いた穴の中で煌々と揺れる炎に手を翳す。
………ふむ……。
ウルがそう呟いたのとほぼ同時に、部屋の扉が開いた。
ウルとクレイグの視線が同時に動く。
扉の所には、ルッソともう一人、灰色の少し小太りなピクシーが立っていた。
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