ドラゴン・テイル

「あの日、あの時に、何であの場所にいたのが俺たちだったんだって、ずっと悔やんでいた」

 でも……───。

 ウルは、空を見た。
 "あの日"よりも晴れ渡った満天の星空。

「ここから見上げる星はただの光で……」

 突然、何の関係も無い星の話を始めたウルを、コパンは見上げた。
 下から、仰ぐように見上げたウルの姿は、コパンの目にはまるで星の海に漂っているように見える。

「でも、星を擬人化する言葉が多くあるよな」

 ─……星が瞬く……星が笑う……星が漂う……星が……

 星は、いつでも夜空を彩る。
曇りの日も、雨の日も、どんな時でも、雲の上では星が輝きながら踊る。

「新しい星を見つけたら、嬉しいよな? その星に、自分の名前付けてみたり、他の星と線で繋いで形を作ってみたり」

 ウルがコパンに視線を移す。
 コパンの不思議そうな顔を見て少しだけ笑った。

「でも、消えていった星には目も向けない。綺麗に輝く星だけ見て、消えてしまったら忘れてしまう。だろ?」

 誰も消えていった星を気にもとめない。

「命が死ぬのはその瞬間だ」

 コパンも、クレイグもキスティンもラーマも。ただ黙ってウルの話を聞いていた。

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