ドラゴン・テイル

「だから、星は少しでも人の……生き物達の心に残ろうと輝く」

 幼い頃、ウルの母が言っていた言葉。

「生き物も、同じだ。コパン」

 驚いた顔をするコパンの頭を、優しく撫でる。

「俺は、お前の友達を知らない。だから、生かしてやることが出来ない。でも、お前は?」

 物言わず、コパンはただウルの顔を見つめる。



 ─…コパンにはまだ難しいだろうか。



「お前が友達を忘れなければ、その友達はお前の中に生きた証を残せるんだ」



 ─…コパンにとっては残酷だろうか。



「お前は、友達を忘れない。お前が忘れない限り、友達もお前の中で生きられる」

 ウルは、コパンを見つめ、もう一度繰り返した。死んでいった者を、無理に忘れる必要は無い。

 今度は、コクンと小さく頷く。

 本当に伝わったかは分からない。だが、いつの間にかコパンの涙は止まっていた。

「……ぁ……………ぅ……」

 ウルに向かって、コパンが口を開いた。

 それは、ピクシー独特の言葉では無く……──

「…し……き…る……」

 途切れ途切れだが、間違いなく人の言葉。

「ん?」

 内心の驚きを抑え、優しく問い返す。

「るー……し……い…きる……。るーしぃ……いきる」

「ルーシィ、生きる……?」

 ウルが繰り返すように言うと、コパンは何度も頷いた。

「るっそも……いき…る……」

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