ドラゴン・テイル
クレイグがキスティンを突き飛ばした。
その瞬間、キスティンの立っていた地面が剣山のように突き上がる。
「……っな……ッ?!」
思わず声をあげるキスティン。
それを皮切りに、あらゆる場所から剣山が出てくる。
『ウル!!』
ラーマの鋭い声が飛んだと同時に、ウルは腕の中にいたコパンをラーマに向かって投げる。
「キギィィィ?!!」
突然襲った浮遊感に、コパンが目を覚まして叫ぶ。
ラーマは、飛び上がり際にコパンを受け止め、そのまま上空へ舞い上がる。
「くっそ……っ!
いきなり何しやがるッ!!」
止まること無く突き上げてくる地面を勘で避けながら、クレイグは腰に下げた剣を抜き放った。
ウルとキスティンも同時に呪文の詠唱を始める。
「来て!! クーパ!!」
キスティンの言葉に呼び出された茶色い巨大な豹の姿をしたそれは、キスティンの周りをふわっと一周し、地に足を着けると……──
グルルォォォォォォォッッッ
いきり立つ大地に、巨大な咆哮を響き渡らせた。
まるで、突き上げた剣山がその声に鳴動するようにビリビリと振動し、粉々に砕け落ちる。
「アースバンッ!!」
平らになった大地に、ウルは右腕を叩きつけた。
グゴゴゴゴゴ………ッ
魔力が、呪文に呼応するように大地を揺るがし、地下で爆発を起こす。
爆発によって生じた空洞で、大地が大きく陥没した。
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