ドラゴン・テイル

「何が、"ごめんなさい"なんだ?」

 クレイグが問う。

 だが、コパンはしゃっくりでうまく喋れないのか、顔を振るだけ。

「……コパンちゃん、落ち着いて? どうして、ごめんなさいなのかな?」

 優しく頭を撫でながら、キスティンがウルの腕の中のコパンを覗く。

 コパンは何かを口にしようとするが、しゃっくりのせいで何を言っているのか分からない。

「……コパ…し……でん……」

 これではダメだと思ったのだろう。

 先に呼吸を整えようと、大きく深く息をする。

 まだ少し肩を振るわせながら、目に涙を溜めてコパンはキスティンに言った。

「…ック……コパ…ン、し、神殿、行っ…ヒックッ」

 肩を振るわせながら喋るコパン。

『神殿に行った? 神殿の場所を知っているのか』

 ラーマの問いに、僅かに頷く。

「やったじゃん! これで神殿行ける!」
「どこにあるの?! 神殿!」

 クレイグとキスティンが同時に声を上げる。

 だが、コパンは首を横に振る。

「…玉……神殿に無い……」
 ごめ……ごめなさい……。

 再び謝るコパン。

 ウルは、コパンを自分に向かい合うように立たせて、顔を覗き込んだ。

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