ドラゴン・テイル
「コパンちゃん、聞いて?」
キスティンが、必死にウルの腕を引くコパンの横に屈んで言った。
「私たちね、コパンちゃんが持ってる宝玉がどうしても必要なの。あれが無いと、とっても怖いことが起こっちゃうの。
わかるかなぁ……?」
コパンは、キスティンを見てコクンと頷いた。
「玉、呼べる」
頷いたコパンの言葉が、一瞬理解出来なかった。
「……玉……」
「……呼べる……?」
動きを止め、クレイグとウルが呟く。
コパンは再び頷いた。
「玉、呼べる。コパン、転移魔法得意!」
転移魔法……あの魔法陣か?
クレイグとウルは、同時に穴からここまで来た経緯を思い出す。
確か、魔法陣で……。
思い出すと、クレイグが言った。
「いやいや、あれだって魔法陣があるから出来たんだろ? ここで魔法陣貼っても、俺たちが移動するだけで宝玉は動かねぇんじゃね?」
もっともな意見だ。
ウルも頷き、コパンに言った。
「あれは、魔法陣の中の物を移動する魔法だろう? それに、術者が近くにいないと出来ないんじゃないのか?」
ウルの言葉に、コパンは頷いた。
「コパン、出来る。みんなスゴいって言った!」
『ふむ……』
それまで黙って聞いていたラーマが、納得したように呟いた。
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