ドラゴン・テイル
リムレットも、そういえば祭りが好きだったな。
ウルも、リムレットと祭りに行くのが大好きだった。
思いだし、自嘲気味に静かに笑う。
《ねぇ、ウル。
みんなが笑ってるっていいね!》
記憶の中のリムレット。
あの日から、ウルの中にいるリムレットの姿は変わらない。
リム……。
無事なのだろうか、今どこにいるのだろうか、怖い目にあっていないだろうか。
………生きて、いるのだろうか……。
今、隣にいるのがリムだったら、俺もあの家族連れや恋人達のように笑えたんだろうな…。
寂しさに似た感情が、ウルの心に影を広げた。
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