ドラゴン・テイル
「どう?! 私の友達!
綺麗だったでしょー!」
満面の笑みで人混みをかき分けながらウル達の元にたどり着くなり、キスティンは嬉しそうに言った。
「うん、すっごく綺麗だった! 私、見とれちゃった」
笑顔で返すレナ。
「だよな! あんな子が友達なんて、羨ましいな。まぁ、キスティンも負けないくらい綺麗だけどな」
抜かりないな……。
ウルは、友人の『さり気ない誉め言葉』に感心する。
またまたぁ! と、キスティンはクレイグの背中ひばすばす叩いた。
「パレードまでもう少し時間があるね。」 少し出店見に行こうか。
キスティンが提案すると、一行は歩き出した。
辺りは所狭しとと出された出店で埋め尽くされている。
どこから見ようかと、クレイグは辺りをキョロキョロと見渡す。
その隣でキスティンも嬉しそうな顔で辺りを見回している。
その後ろをウルとレナがついていった。
何かと寄り道の多い二人に笑顔で付き合うレナと、相変わらずふてくされた顔で少し後ろの方から付いてくるウル。
レナがチラッとウルを振り返る。
ウルはいっこうに笑顔を作る気配は見えない。
どうすれば楽しんでもらえるんだろう
レナはふと顔を曇らせた。
折角の祭りだ。ウルにも楽しんで過ごして欲しい。
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