ドラゴン・テイル

 ─テレパシーとか言うやつか……?

 話には聞いたことがある。思念を相手に飛ばす魔法だ。だが、難しいく、意外にもかなりの危険が伴うと聞く。

 相手の思考に自分の言葉を送り込む魔法ゆえ、高度な魔力調整は当然な上、相手の思考周波に合わなかったらしっぺ返しがくる。

 失敗した者の中には、脳にダメージを位障害を残す者も少なくないと聞く。

 ─こんな高度魔法をあっさり使えるとは……さすがドラゴンと言った所か。


 =何故、私を嫌う? 私には、お前に嫌われるような事をした覚えはない。

 ─あぁ、あんたはな。隠しても、思考に干渉する魔法だしどうせ読みとれるんだろうから言うけどな……。
 でも、あんたと同じドラゴンのお仲間は、俺の目の前で友人を誘拐しやがったんだよ。

 =………。

 ドラゴンは歩みを止め、ウルを見据えていた瞳を閉じた。

 警備兵達やクレイグが不思議そうな顔をして足を止める。


 ふぅぅぅ……………


 深いため息をつくドラゴン。

 吐き出した息で帽子が飛びそうになり、警備兵達は慌てて頭を押さえた。



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