ドラゴン・テイル
「なんだよ、こんな所で仲良く秘密会議か?」
唐突に聞こえた声に視線を巡らせると、少し離れた場所にクレイグの呆れ顔が飛び込んできた。
「気がついたらいねーんだもんよ。探したぜ」
そういうと、ウルの隣に腰を落とした。
『それはすまなかった。いや、熟睡していたみたいで、起こすのも悪い気がしてな』
ラーマが声をかける。
「しかしあれだ、ウルの笑い声初めて聞いたぞ。最初誰だか分かんなかったし」
「悪かったな、俺でも笑うことはある」
ウルの言葉に、クレイグは笑みで返した。
「おう。お前でも笑える事があって良かった」
そういうクレイグの言葉に嫌味な要素は何一つ無く。
ウルは、クレイグが友人で良かったと思った。決して口には出さないが、いつも感謝している。
「で? 何の話だったんだ? 鉄仮面ウルを笑わせた話題って」
この言葉に、今度はラーマが笑いながら答えた。
『なぁに、昔話さ。クレイグ、お前が聞いたら頭から湯気が出るぞ』
「何だよ、難しい話なのか?」
クレイグが残念そうな顔でボヤく。
「お前にはわかんねぇよ。さて、そろそろ戻るか」
ゆっくり立ち上がり、ウルは町へ引き返して行った。
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