ドラゴン・テイル
虚空に音もなく現れた淡い水色の球は、アネットを包み込んだ。
見る見る内にアネットの顔色が良くなっていく。
完全に、アネットの体調が戻る頃、泡は静かに消えていった。
「はぁ〜、凄いもんだねぇ、精霊の力ってのは……」
感嘆とした表情で、アネットは言葉を漏らした。
「いつも治す側の立場だけど、たまには治される方も良いね」
すっかり顔色が戻り、血色の良い頬に赤みがさす。
レナは、ニコっと微笑み「そうですね」と答えると、早速今日の治療に取りかかった。
レナに続けと言わんばかりに、今日中にこの仮施設にいる人達の治療を終わらせる勢いで、治療チームが動き始める。
「おーっ! 今日も元気に頑張ってるね」
慌ただしく動き回る人の中、場にそぐわないのんびりとした声が仮施設に響いた。
「キスティン?」
聞き覚えのある声に、治療の手を止めて顔を上げるレナ。
「レナーっ! 差し入れ持ってきたよー! あ、みなさんこんにちはー」
近くに居る人たちに挨拶をしながらレナの所に近寄ると、キスティンは持っていた紙袋をレナに差し出した。
「はいっ! これ、シーナさんに頼まれたの。レナってば、朝ご飯も食べずに出てきちゃったんだって? 夜は別としても朝昼はちゃんと食べないと、もたないわよ? カラダ」
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見る見る内にアネットの顔色が良くなっていく。
完全に、アネットの体調が戻る頃、泡は静かに消えていった。
「はぁ〜、凄いもんだねぇ、精霊の力ってのは……」
感嘆とした表情で、アネットは言葉を漏らした。
「いつも治す側の立場だけど、たまには治される方も良いね」
すっかり顔色が戻り、血色の良い頬に赤みがさす。
レナは、ニコっと微笑み「そうですね」と答えると、早速今日の治療に取りかかった。
レナに続けと言わんばかりに、今日中にこの仮施設にいる人達の治療を終わらせる勢いで、治療チームが動き始める。
「おーっ! 今日も元気に頑張ってるね」
慌ただしく動き回る人の中、場にそぐわないのんびりとした声が仮施設に響いた。
「キスティン?」
聞き覚えのある声に、治療の手を止めて顔を上げるレナ。
「レナーっ! 差し入れ持ってきたよー! あ、みなさんこんにちはー」
近くに居る人たちに挨拶をしながらレナの所に近寄ると、キスティンは持っていた紙袋をレナに差し出した。
「はいっ! これ、シーナさんに頼まれたの。レナってば、朝ご飯も食べずに出てきちゃったんだって? 夜は別としても朝昼はちゃんと食べないと、もたないわよ? カラダ」
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