犬彼


「はい、明。大丈夫?」

ベンチの隣にあった自販機でスポーツドリンクを買い、明に手渡す。

「ありがとなー美和あ…」

誘って来た時は今までになかったくらいのテンションで凄く楽しみみたいなことをずっと言ってたのに、

今はもう一生行きたくないって言葉が口から出てきそうだ。

「美和ー1つだけお願いしてもいい?」

「お願い?…いいよ?」

「じゃー美和の膝、貸してくれない?」

………え??

今一意味が理解できない。

「膝枕してほしーんだけど。駄目かな?」

ちょっとウルウルした目で見てくる明には勝てなくて

「やったー美和の膝だー」

私の膝に頭を乗せてゴロンと寝転がる。

………犬っぽい。

目を閉じてスヤスヤ息をする明は凄く…愛おしい。

ドキドキドキドキ

心臓が高鳴る。

太陽が反射して綺麗に輝く髪

男の子なのに白めの肌、何もかもが愛おしい。


…ちょっと髪の毛触りたいな。

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