犬彼
日も暮れかけてきた頃、美月の提案で観覧車に乗ることにした。
少し込んでいたけど…
観覧車には明と2人で乗った。
美月達は私たちの1つ前のゴンドラに乗った。
「わ……綺麗。」
太陽が西に傾いていた。
夕焼け空はとても綺麗だった。
「美和…。」
「ん??」
明に声をかけられ振り返ると、
夕焼けのせいか、顔をりんごのようにしている明が。
「これ…やる。」
そう言って私に差し出してきたのは、
赤色のハートのネックレスと
トイプードルか何かの犬の形をしたネックレス。
「2本…も??」
「うん…。嫌か??」
「うんん。とても嬉しい。」
「なあ、見て。俺のこのネックレスとそのハートのネックレス、ペアなんだ。」
よく見たら、私のハートのネックレスには右下に小さくハート型の穴が開いていて
そこにぴったり明の持っていたネックレスが重なった。