犬彼


「さっき、お店を覗いたらこれがあって。一目ぼれしちゃったんだ」

にこっと笑う明はとても可愛くて。

とても素敵で。

私は思わずぎゅっと抱き付いた。

「美……和??」

「ありがと…明。私、これ毎日つけるね。」

涙が浮かんできて、明の顔がよく見えない。

でも、きっと明は今照れてる。

そんな気がする。

「毎日つけろよ??ほかのやつに見せ付けるんだから。」

明も私をぎゅっと抱きしめ返してくれた。

とっても暖かい、幸せな気持ち。

幸せすぎる。



ふと、顔を上げたら明と目が合った。

どちらからともなくゆっくりと唇が重なった。

明の唇は冷たくて。

男の子なのにとても柔らかかった。


「あ…いきなり、ごめんな」

「う…うんん。」

二人ともゴンドラから降りるまで照れ照れだったことは

言うまでもない。

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