CoCoa.+
案内され、カウンターのちょうど真ん中に座った。
店内は落ち着いた内装で、コーヒーの香りがほんのり漂っている。
「ほら」
目の前に出されたのは、温かいココア。
漂っているコーヒーの香りと違って、甘い香りがする。
「…ありがとう…ございます」
「どういたしまして」
カップを手に持つと、外で冷えた手が温まる。
「あったかい…」
「こんな寒い日に外にいるから、身体が冷えたんだよ。ほら、早く飲め」
言われた通りに、カップを口につけ一口飲んだ。
「…おいしい」
あまりの美味しさに、目を見開いてカップを見つめる。
甘くて
温かくて
自分で作るのとは、全く違う。
身体全体が温まる感じと、心が落ち着く感じがした。