CoCoa.+
「すずめ、お前いくつ?」
「15…です」
「15か…ってことは、中学…」
「3年です」
「そうか。じゃあ、今は受験生だな」
ドキ
「そう…ですね」
受験生ー…
「そうですねって…なんか他人事みたいだな」
「…」
絢芽は黙ってしまった。
その様子を見た橘は黙って立ち上がり、棚から何かを取り出した。
「ほら」
いつの間にか橘が、大きな袋を持って隣に立っていた。
差し出された袋を見ると、中にはたくさんの飴玉が入っていた。
「飴玉…?」
とりあえずその袋を受け取り、まじまじと眺める。
「そ。受験日までの、おまじない」
おまじない?
「一日一個食べながら、勉強しなさい。そしたら、受かりますよ」
占い師みたいな口調で言う橘を、疑うような目で見てしまう。
「信じてないな?」
「はい」
「全く…最近の子は、夢がないな」
橘は絢芽が持っている飴玉の袋を開け、ひとつだけ取り出す。