カエルの王子様
しばらくすると、
誰かが入ってきた。


「誰ですか?」


「私よ。」


「マリー様。
どうかしましたか?」


「貴方に話があります。」


マリーの真剣な言葉に、
俺は息を飲んだ。


「初めて会った時から、
貴方が好きでした。
私は盲目なのですが、
貴方の声に惹かれました。」


「そんな・・・。」


「いいえ。
貴方の声は誰よりも素晴らしく、
皆を説得できる力の声です。」


マリーの目には、
沢山の涙が零れ落ちていて、
俺の体に何度もかかった。
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