カエルの王子様
俺はマリーの手に乗り、
マリーは自分の顔に近づけ、
頬が俺の体に当たった。


マリーの頬は温かく、
体が濡れているのを感じた。
多分マリーの涙・・・。


「俺の為に、
泣いているのですか?」


「ええ。
貴方の純粋な心を、
ヨーサーは傷付けた。
目の見えない私は、
貴方の姿は見えませんが、
心の傷は見えます。」


「マリー様・・。」


俺とマリーはそれから、
ずっと話さずに、
涙を流し続けた・・・。


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