シムーン
「――本当、ですか?」

黙っていたら、彼女が言った。

えっ、どう言うことなのだろうか?

俺がそんな顔をしていたのか、
「今の言葉、事実なんですか?」

彼女が言った。

「それは、どう言う意味だなんだ?」

聞き返した俺に、
「好き、って…本当なんですか?」

彼女が言った。

それは、どう言う風に解釈をしたらいいのだろうか?

「ああ」

そう思いながら、俺は首を縦に振ってうなずいた。

「お前の気持ちは?」

今度は俺が彼女の気持ちを聞く番だ。
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