シムーン
「そう、思ったんだから」

「はい、ペナルティ」

そう言ったかと思ったら、チュッと唇が触れて離れた。

「な、何で…!」

私が言ったら、
「俺が思ったから」

彼が言い返した。

俺が思ったからって、強引なんだから。

けど、そう思っても嬉しい自分がここにいる。

もっとキスして。

もっと触れて。

そんな恥ずかしいことを思ってる自分がいる。

私ったら、わがままなんだから。

「――真希」

彼が名前を呼んだので、
「――勇…」

私も彼の名前を呼んだ。
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