シムーン

Friendー持つべきものは友ー

指定された場所は、地下の駐車場だった。

そこについたのと同時に待っていたのは、聞きたくない事実だった。

勇は、私とつきあう前に彩花ちゃんを思っていた。

彼が私の前に誰を思っていようが、それは勝手だ。

でも…私とつきあったのは、彩花ちゃんの代わりなの?

私は、彩花ちゃんの代わりとして勇とつきあっていたの?

私と彩花ちゃんが似ているからつきあったの?

あんまり過ぎる事実に、私の目から涙がこぼれ落ちた。

同時に、頭の中に勇と過ごした日々がよみがえった。

突然のキスに、ささやかれた愛の言葉――あれは全部、ウソなの?

私を愛したのも、彩花ちゃんの代わりなの?

「真希!」

彼の声に答えることができなくて、私は思わず逃げ出した。
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