シムーン
出てくるのは、罵倒の言葉ばかりだった。

言いたくない。

彩花ちゃんは関係ない。

でも、止められなかった。

「――真希!」

グイッと肩をつかまれたのと同時に、冴子の顔が目の前にあった。

いつの間に集まったのだろう?

周りには、ギャラリーが何事かと言うような顔で私たちをみていた。

彩花ちゃんは、両手で顔をおおって泣いていた。

その隣にいるのは、彩花ちゃんを慰める課長と後輩の七海ちゃんだった。

よほどひどいことを言ってしまったらしい。

彼女を傷つけるようなことを言ってしまったのだと、私は後悔する。

「若宮さん、もう1度真希を医務室に連れて行きます」

冴子が近くにいた若宮さんに声をかけた。
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