シムーン
「わかった」

若宮さんが首を縦に振って答えたのを確認すると、冴子は私を連行するようにこの場から離れた。

冴子に連行されたところは、
「えっ?」

医務室ではなく、使っていない会議室だった。

本当に医務室に連れて行かれるかと思ったのに…。

会議室に一緒に入ると、
「座って」

冴子が椅子をひくと、私に促してきた。

私が座ると、冴子も後から座った。

「冴子…?」

「懐かしいよね」

突然のように、冴子が言った。

「入社したての頃、2人でオフィスを抜け出して会議室で遊んでいたよね」

そう話を始めた冴子に、
「ああ、そうね」

私は返事をした。

何が言いたいのだろうか?
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