シムーン
「――んー…」

そんなことを迷っていたら、声がした。

声のした方向に視線を向けると、彼は躰を起こしていた。

ヤバい、これは起こしちゃったよね?

心臓がドキドキと鳴っていて、パニック状態である。

チラリ…と、彼と目があった瞬間、私の心臓はドキッ…と鳴った。

彼は私と少し目をあわせると、近くに置いてあった眼鏡に手を伸ばした。

眼鏡をかけると、もう1度私と目をあわせた。

「――何だ、起きたのか」

目をあわせたとたん、彼が言った。

「――あ、えっと…」

私は戸惑った。

一体何を言えばいいのだろうか?
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