シムーン
「令嬢の仕業だよ」

「れ、令嬢…」

それって、昨日の?

「本当に好きにしやがった…」

もう言いたくないと言うように、勇は目を伏せた。

「まあ…クビにはならなかっただけでもよかったけど、あれはないな」

最大ダメージを受けたと言うように、勇はため息をついた。

「私もそう思う」

そう言った私に勇は目をあげて笑ったので、私もつられて笑った

「それで、資料室に呼び出してどうしたの?」

「ああ、そうだったな」

勇はふうっと息を吐いた。

「仕事終わったら、家にきてくれるか?」

「うん、わかった」

首を縦に振ってうなずいた私に、勇はまた笑った。
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