シムーン

合縁奇縁ー偶然と必然の違いとは?ー

「――まさか…!」

見覚えのあるその後ろ姿を見つけた時、俺は思った。

こんな偶然があるのかと、そう思った。

「何してる?」

そう声をかけたのは、確かめるためだったのだろうか?

振り返った君は、やはり君だった。

中原真希――彼女だった。

――どうして?

彼女の目が、そう問いかけていたた。

どうして、か。

俺の方がどうしてだと問いかけたいと思った。

何故、君がここにいるのか。

そして、どうして俺の前にいるのかと問いかけたかった。
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