シムーン
まだカクテルを飲んでないのに、気持ちがクラクラするのは何故だろう?

「――何でなんだろ…」

おかしなもんだわ、誰かを思ってこんな気持ちになるなんて今まであっただろうか?

主任に恋してた時もあっただろうか?

「――変な気持ちだわ…」

そう呟いて、もう1度だけ空を見あげた。

いつの間にそこにあったのだろうか?

大きなダイヤモンドのような月が煌々と照らしていた。

私はその月を何も言わずに、その場に立って黙って見ていた。
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