シムーン
そう言えば、中原真希の瞳にも俺が映っていた。

茶色がかった瞳の中にいた俺の姿は、彼女にはどう言う風に俺が見えていたのだろうか?

…あーあ、また考えてるよ。

酔っているんだか、何なんだか。

「とりあえず風呂に入って、寝るか」

明日は早い。

そう思いながら、俺はテーブルのうえを片づけた。

ソファーから腰をあげた時、見えたのは夜景だった。

少しも変わってない。

「いつ眠るんだか」

夜景に向かってそう呟くと、背中を向けてリビングを後にした。
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