シムーン
SIMOON2*自覚*

Againー赤い糸を信じますか?ー

――どうして何だろうな?

彼が音を発したその言葉が忘れられなかった。

「――どうして、か…」

私も、あなたにどうしてなのかなって感じてるの。

胸が締めつけられるような、ときめいてしまうような…そんな思いをしたことが今まであったっけか?

誰かに対してこんな気持ちになったのは、今まであっただろうか?

「――中原」

名前を呼ばれて我に返ると、呆れた顔の主任がそこにいた。

「主任…」

主任は、昔私が恋をしていた相手だ。

彼に振り向いて欲しくて、いっぱいアプローチしたっけな。
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