シムーン
呼吸の仕方を忘れるかと思うくらい、あんなに激しいキスをしたのに…。

それは、私に余裕を見せているような気がした。

突然過ぎだ。

彼はいつも突然だ。

突然現れて、私の気持ちを聞く前に唇を奪って行く。

どうしていつも突然なの?

どうして、私の気持ちを聞かないの?

彼のことを知っても、曖昧なのは相変わらずだ。

曖昧過ぎて、わからなくなる。

あなたの気持ちを確かめたくなってしまう。

もっとあなたを知りたくなってしまう。

唇を開いて、言葉を発しようとした時だった。

ガチャッ…

ドアが開いたその音に、躰が震えた。
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