大切な記憶
存在
「愛羽!!起きなさい!今日は学校でしょ!」
「もう…わかったからぁ…」
お母さんなんてさ、私に関心ないくせに、
私に構わないでよ…
壊れて鳴りやまない目覚まし時計、一週間のはじめのお母さんの
甲高い声…
今日が学校に行かなければならないということを
実感させられる…
でも、学校行かなきゃ、
私の居場所は…
…ない。
かと言って、学校にもなぁ…
「…とか言いながら、制服に着替えてるし…はぁ…」
思わずため息が出るし…
「準備しなきゃ…」
…といってもうちの学校は校則が厳しいうえに先生の目も超・超・超きついから、
それなりのオシャレとか、制服アレンジができない!
おまけに髪の長さは肩にかかる長さまで、とまぁその他もろもろって感じ。
「田舎の中学校だからしょうがないのかなぁ…」
準備を終え、うちはいつもと変わらない朝食をとった。
やけに明るい、テレビ番組…
なんか、耳障り…
「じゃ、お母さん、行ってきます…」
「…」
やっぱり、お母さんは何も返してくれない。
―いってらっしゃい―って…
「…お父さん、いってき…あ…」
あ、そっか。
お父さんはもう、いないんだっけ…?
そう。
もう、お父さんはあの日からもう、
あの空の向こうに、
行ったんだ…
そう、あの日から…