アリィ
そうだ。
これが、『孤独』だ。
入学当初、無理をして集団におさまろうとしていたのも。
アリィを押しつけられたまま決定的に突き放すことができなかったのも。
目立つこと、はみ出すことを嫌悪していたのも。
これ、そう、つまり『孤独』が恐かったからだ。
父に裏切られ。
アリィに見捨てられ。
これが、私が恐れていた『孤独』だ。
ひとりぼっち。
「……みじめ……」
誰にも聞こえないくらい小さな声がもれた。
そんな私を見ている子なんて、もう誰もいなかった。