アリィ
「いきなり派手な格好して午後から登校してきたことあったでしょ?
で、あのあと五十嵐に教官室に連れて行かれて殴られたらしいよ」
「えぇ?女子殴るの?あいつサイテー」
「だよねー。そんで、その日からカナエ達学校来なくなったじゃん」
「そういえば。しばらく見てなかったかも」
「でしょでしょ?それがさー、昨日また派手な格好で午後に登校してきたらしくて。
今度は体育科の先生達みんなと散々もみ合いのケンカになったらしいんだよ」
「あ、もしかして!」
「そう、それで午後からの自由行動中止になったんだよ。
あれ、カナエ達のせいだったの。まあ、だるいと思ってたから別にいいんだけど」
「たしかにー。掲示物見て回るだけとかマジでつまんないし。ちょっとカナエ達に感謝かも」
「私も私も。そんでさ、カナエ達最終的に頭に髪色戻しのスプレーかけられて真っ黒になっちゃったんだって」
彼女は一体どこからそんな情報を仕入れてくるのだろう。
「だからノア、あんな真っ黒になってたんだ」
「マジであれはビビったよね。私、貞子が来たのかと思ったもん」
へえ、私と同じこと考えてる子がいたんだ。
「は?何、貞子って」
「知らないなら別にいーよ」
「えー気になる。でもそれよりさ、どうしてノアがこの教室に来てアリィを連れてったワケ?
そっちのほうが気になるし」
アリィの名前が出てきて、また反応してしまった。
「それなんだけど。カナエ達があまりにもひどいから、すぐに親が呼び出されたらしいの。
でも親が学校に来る前に、カナエ達逃げちゃったんだって」
だから、その情報はどこから……。