アリィ
虚しい笑いに満たされた部屋。
わかない食欲にうなだれると、腕に十円玉大の青アザを見つけた。
まだ時間が経っていないような、活きのいい青色をしている。
いつぶつけたのだろう。
人差し指で押してみると、鈍く痛んだ。
痛い。
痛い。
「……嫌われて、当然だったな」
ぼんやりつぶやいたら、唐突に泣きたくなった。
悲しい。
涙をたくさん流したい。
でも、そうする気力がわいてこない。
感情さえ殺すほどの、とてつもない大きな疲労が私の中心に停滞している。
泣きたい。
泣けば少しは楽になれそうなのに。
このままじゃ、どうにかなってしまいそうだ。
すがるものがほしい。
私は、ふらりと立ち上がった。
向かったのは、仏壇。
父の部屋にあるから、もう何年も拝んでいなかった母の元。