アリィ
次に目が開いたとき私を襲ったのは、白い天井と気がふれそうなほどの激痛だった。
いたい
声に出したいのに、うまく喉が鳴らない。
シューシューと聞こえるのは、口元を覆う透明なマスクから。
なんだこれ。
手を伸ばそうとしたけれど、できなかった。
体が五倍くらいに腫れ上がったようで、とても動かせない。
痛い、痛い。
辺りをぐるりと見回すと、たくさんの管が見えて、それは全部私に繋がっていた。
それと同時に、右目が見えないことにも気がついた。
何かに目隠しされているようだが、暗闇の下がじぐじぐと痛んでいる。
どうなっているんだ。
やっとのことで出せたのは、声にもならないうめきだった。
それすらも体にかなりの負担がかかって苦しい。
ふうふうと浅い息を繰り返していると、青い布をかぶった父が視界の端に現れた。
「おい、由紀子!気がついたのか!?」
給食係みたいな格好をして、バカみたい。
それなのに父は、そんなこと気にもしないで私の枕元にすがりついてきた。
「大丈夫か?俺が誰だか分かるか?」