アリィ
「しにたい……しにたいぃ……」
「ごめんなあ、ごめんなあ由紀子……!」
死にたいと繰り返す私に、ひたすら泣いて謝り続ける父。
消えない憎しみと、怒り。
だけど、どこかで消しきれていなかった家族という意識が、忘れていた愛情というあたたかい光をわずかに灯した。
今の私に、このぬくもりは悲しすぎた。
「由紀子、許してくれ由紀子……!」
途絶えぬ嗚咽。
明るすぎる照明。
真っ白な視界。
胸がえぐれる。
痛い。
死にたい。
痛い。
……生きたい。
左の目尻に涙が伝った。